guleは、膠(ニカワ)のことで、いわゆる糊のことである。そこから、素粒子であるクオーク同士を結び付ける糊の働きをする媒介素粒子をgluon(glue-on)と名付けた。 gulon projectは、同じように様々な技を持った個人や企業を集め、糊(glue)で固めて統合し、新たなもの、新しい価値を生み出そうとするプロジェクトである。
インターネットの発達に伴い、最近、同様なサービスを行うサイトも増えてきた。大抵の場合、それらのサイトは仕事を出したい人や企業が、仕事を依頼する相手を探すために使われる事が多い。基本的には需要と供給のマッチングを仲介するのが主目的である。gluonプロジェクトでは、それよりも1レベル上を目指す。
最初の段階では、それら先行事例と同様な形で見えるかも知れない。しかし、本プロジェクトが目指すものは、単なる仲介ではなく、あたかも一つの企業体であるかのようになる事を目指す。技を持った(法)人が集まるばかりではなく、それらを融合する主体(糊)になることで、企業体と同様な独立作業プロジェクトを生成、運用し、成功を目指す。各プロジェクトに対してのより主体的、能動的な関与を行う。個別の企画に対し、都度相応しい人材を結集、遂行し、プロジェクト終了時には解散することで、より柔軟な対応を目指す。
この、プロジェクトの主体的運用(支援)が、従来の同様サイトとの大きな違いである。情報サービスではなく、ムーブメントである。例えるなら、砂や砂利(技を持った主体)だけでも、セメント(glue-on Project)だけでも弱いが、それらを水と混ぜる事で、より強固な構造物であるコンクリート(個別プロジェクト)になるというようなもので、それを目指すのである。
言い変えると、技を持った人材プールであり、それらを融合してプロジェクト化を活性化する触媒であり、企画を立案、実行する仮想企業である、それがGluon Projectである。
本プロジェクトでは、いわゆる元請け下請け関係を目指すわけではない。企画部、開発部、製造部、営業部、総務部(経理課を含む)を持った、完備した企業体を、それぞれの得意技を持ち寄って“プロジェクト”として結成し、仮想企業体を構成する。それも、固定化した役割分担ではなく、企画、課題に応じて、都度相応しい人材を集め、終了時には解散する。また、単なる元請け下請け関係ではなくパートナーなので、それぞれが熱意や体力、投入資源などに応じ、リスクを分散して負い、利益を享受するものである。企画、開発、製造、営業、各段階でアイデアを出し合い、付加価値を高め、より高い利益を目指す。また、プロジェクト管理(総務)にも工夫し、より低いコスト(金銭面、コミュニケーション面)でより高い利益が上がるようにする。
こうして、自らが企画した自主企画や持ち込まれた要求企画をこなしていく事で、参加企業(人)全体のレベルアップを図り、ひいては地域の産業活性化を目指すのが、本プロジェクトの目指すところである。また、この過程を通じ、特に地方では不足がちな、プロデュース能力、コーディネート能力を持った人材を、養成、育成することも、隠れたもう一つの目的である。
作成:2000/10/31
最終更新:2000/11/16
有限会社知識情報研究所
鎌田勝浩
kamada@kil.co.jp