双子探偵Biz男とCafe子、ITの謎を解く
Part 2: BSデジタル放送編
(biZPress 2001 VOL2 : 2001/2/1発行)
- Cafe子:
- 今度始まったBSデジタル放送って、すごいよね。新聞の
テレビ欄見てるんだけど、民放も増えて、こんなに番組があったら、それこそ
寝る暇がなくなっちゃう。
- Biz男:
- BSデジタル放送ねぇ。はやり言葉のデジタル
付けただけちゃうんか?そやなかったら、今不景気やからテレビを買い替え
させよういうメーカーの陰謀ちうところやないんか?な、びず太はん、なんか
変わるんか?ただ、チャンネルが増えただけちゃうんか?
- Cafe子:
- でも、絵がきれいになったり、多くの番組が送れたり、データ放送
っていうのも増えるって聞いたわよ。
- びず太:
- そうだね、放送局が増えただけでなく、デジタルにする事で、
画像等の情報の扱いが楽になって、
正確化、コンパクト化、多重化が可能になったんだ。
- Cafe子:
- 正確化って?
- びず太:
- 今までは信号をそのまま送っていたんだ。デジタルにすると、信号の
大きさを数字で表して、それを2進数という方式で送るんだ。こうすると
1か0かの区別さえ付けば元の信号を正確に再現できるので、原理的に
ノイズなんかは載らなくなるよ。
- Biz男:
- そりゃすごいな。で、コンパクト化ってのは?
- びず太:
- テレビにはチャンネルっていうものがあるだろう。一つのチャンネルで
送れる情報量は決まっているんだ。逆に言えば、一つの番組を送れるだけの
電波の事をチャンネルと呼んでいたんだな。
- Biz男:
- なるほどな。
- びず太:
- でもデジタルにすると、計算で処理できるようになる。DVDで
使われているような動画像圧縮技術を利用することによって、一つのチャンネル
分の電波で今までと同程度の画質なら3倍、つまり3チャンネル
分の番組を送る事ができるし、高画質のハイビジョンの番組も、本当なら
もっと多くのチャンネル幅の情報量が必要なのに、一つのチャンネル分の
電波で送れるようになったんだ。
- Cafe子:
- だから同時に3つの番組があったんだ。さっきテレビ欄を見ていて
不思議だったの。これが多重化って事?
- びず太:
- そうだね。それから、コンパクトになるのと同時に、一緒に送る
動画像等の情報との区別がつけやすくなるので、これらと一緒に
他のデータも同時に送る事が簡単になるんだ。
それを利用して、天気予報等のデータも同時に送ることが出来、いままでは
電波の隙間を利用した、どちらかと言えばおまけ的だったデータ放送が、
本格的にできるようになったんだ。
- Biz男:
- なるほど、デジタルは伊達じゃなかったってわけやな。でもうちじゃ
BSデジタルTVどころか、BSデジタルチューナーも買うお金はあらへんって
言うてたで。
- Cafe子:
- えーっ。いいもん、びず太さんところで見るから。
- びず太:
- うちも、貧乏事務所だからねぇ。
- Biz男:
- はははっ、こりゃ当分テレビ欄見て徹夜するんやな。
- Cafe子:
- えーっ、ひどーぃ。
- Biz男:
- ま、うちは陰謀とは無縁と言うこっちゃな。
[戻る]
鎌田勝浩
kamada@kil.co.jp